今回の旅の目的の一つ。智積院にある長谷川等伯の「楓図」、息子久蔵の「桜図」
一昨年3月国立博物館に、長谷川等伯没後400年の特別展覧会「長谷川等伯展」を見に行った時には、作風にただ感動しただけでしたが、いま日経新聞朝刊に連載されている「等伯」を読んでから、狩野派との関わりなどを含めた歴史的背景を知り、より深く心をこめて作品をみることができました。 秀吉は三歳で亡くなった息子鶴松の菩提を弔うのために、京都に壮大な菩提寺・祥雲寺(現・智積院)の建立を命じます。そこの障壁画を等伯に任せたのです。 桃山時代に長谷川等伯らによって描かれ、祥雲禅寺の客殿を飾っていた金碧障壁画が智積院には残されています。「楓図」「桜図」「松に立葵図」「松に秋草図」等は国宝に指定されています。 この宝物館の中に国宝障壁画はあります。 左奥に見える「桜図」は、長谷川等伯の息子久蔵25歳のときの作品です。久蔵は翌年26歳でこの世を去ります。何故どのような理由で亡くなったのかはわかりませんが、安部龍太郎氏は連載の日経新聞でどのように表現してくれるでしょう? 「楓図」は、長谷川等伯55歳のときの作品です。息子の死後、息子の分まで精進しようとこの絵を描き上げました。 智積院大書院。 客殿を飾っていた金碧障壁画はこんな風だったんでしょうね。 襖絵の左から「楓図」「桜図」、正面が「松に立葵図」 豊臣秀吉公が建立した祥雲禅寺(しょううんぜんじ・智積院の前身のお寺)時代に原形が造られ、その後、智積院になってからは、第七世運敞(うんしょう)僧正(江戸三大名墨家)が修復し、東山随一の庭と言われるようになりました。 智積院宝物館では「楓図」「桜図」を独り占めできて最高に幸せ。とても贅沢な時間を過ごさせてもらいました。 東京の国立博物館では人混みに紛れこんな時間は取れませんから。 「松林図」は国立博物館所蔵ですから、またいつの日か常設展でお目にかかれるかも。
by nhana19
| 2012-03-25 09:50
| 旅&歩く&見る&食べる
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