「その日の前に」 
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「その日の前に」  重松清
 
 何事もなく過ごしていた日々が突然途切れる。
さして貴重とも思っていなかったいままでの日常が失われるのを知った時
人間はいままで過ごしてきた日々をとても貴重なものに思うのでしょう。
子供時代過ごしてきた故郷に帰り、結婚して初めて住んだアパートに行き、
過去に過ごしてきた日々をたどり始めます。

   この国をはなれるのだと思ったら、
   この国の人たちがみんないい人に思えた
   うるさい子供にも頬を寄せたい
   展覧会の絵のように
   私は何度も振り返った

この詩が誰のもので、どんな状態で書かれたものだったのか、私は忘れてしまいました。
きっとどこかの国を訪れ、帰りの飛行場で思った気持ちかもしれません。
詩文も正確ではないかもしれませんが、子供のころ心に留めた詩でした。
余命いくらという死の宣告を受けたとき、人間はこんな気持ちになるのでしょうか。

「ひこうき雲」「朝日のあたる家」「潮騒」「ヒア・カムズ・ザ・サン」「その日のまえに」「その日」
「その日のあとで」 これは普通の短編集ではなく、連作短篇集です。

「おかげさまで、いい迎え火が焚けました。シュンもこれで、道に迷わずに帰ってきますよ。
何しろ初盆ですから。」
夏の花火大会にはこのような意味もあったのですね。

 この小説を読んで、1日1日がどんなに貴重でかけがえのないものであるか、
いとしいものであるか、限られたものであるか考えさせられました。
いつかは去らなければならないのですから、意識しながら、かみ締めて、この時間を
過ごしたいです。
by nhana19 | 2006-08-19 09:58 | 読書
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