東京都美術館の「大エルミタージュ展」のあとに、隣にある東京国立博物館へ行きました。
もちろん、東京博物館パスポートを持っているので、 鑑賞するのはフリーです。 今開催されているのは「仏像(一木にこめられた祈り)」です。 一木彫(いちぼくちょう)というのは、1本の材木で一体の仏像を彫り上げることですが、本体の主要部分が同じ木であれば肩や膝の部分を別の木で彫っても一木彫と言うのだそうです。 ほかには寄木造りというのがあります。 昔はほとんどの仏像が白檀の木で彫られていて「壇像」と言って いました。白檀は直径30センチ位にしか育たず、小さい仏像 しか出来ませんが、ねばりがあって堅いので、細工には適していたようです。 古来、木には神や霊が宿るとされていました。 一木彫は、一度彫り始めたらやり直しがきかないので、常に木と向き合い、本体と細い部分 のバランスをとりながら一刀一刀刻んでいく真剣勝負です。 波打つ衣の柔らかいカーブや、手の表情、お寺ではめったに見ることが出来ない後ろからの 優美な姿に、見とれてしまいました。 一木彫の作り方の過程を展示している部屋があって、仏像の出来ていく過程を目で追って いると、丸太1本を、ノミで削って造るというより、丸太の中から仏様を”掘り出した”のではと 言う気持にさせられます。 高賀神社所蔵の、円空の造った十一面観音菩薩立像・善女龍王立像・善財童子立像の 前に立った時、今通り過ぎてきた高貴で凛とした顔の仏像と違い、顔の素朴さ、温かさ、 優しさ和やかさに心癒され、ほっと気持ちがほぐれ心に灯が灯ったようでした。 この三体は1本の丸太を割って造られています。、十一面観音像の台座の上に、像の彫刻 してある面を内側にして両脇の二体を重ねれば、丸太の形が復元できるそうです。 2館合わせて5時間近く見ていた計算になりました。 とても疲れましたが、心は満たされて・・・でした。でも、家に帰ってちょっと寝てしまいました。 芸術の秋を楽しむためには、体力が要りますね~~~
by nhana19
| 2006-11-03 23:59
| 展覧会☆コンサート☆観劇
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