世田谷美術館 「ルソーの見た夢、ルソーに見る夢」
 世田谷美術館へ「ルソーの見た夢、ルソーに見る夢」を見に行ってきました。
用賀で降りて、親切な道しるべにしたがって歩いていたら、世田谷美術館へ無事着きました。
とても良い環境の中にある美術館は思いのほか・・・やはり・・・混んでいました。

 私は小さい頃から、ルソーの絵が大好きでした。
といっても好きなのは、彼の晩年の”ジャングルシリーズ”です。
エキゾティツクで幻想的な熱帯の密林風景。遠い異国のジャングルにあこがれたのです。
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彼はフランス生まれ、入市税関で働きながら40歳ごろ趣味として独学で絵画を始めました。
パリの植物園での写生、名画の宝庫ルーヴル美術館で許可を得て、仕事の合間に好きな絵
を模写、このようにして独自の技法を学びました。
彼の絵の描き方は、パレットに色は1色しか出さず、葉の一枚に丹精をこめて絵の具を塗っていきます。一枚塗りおわったらパレットは洗います。そうしないと、色が濁ってしまうからです。
また、一度塗った色は二度と塗りなおさないという彼の自信の表れでもあったようです。

アンリ・ルソーは「無意識の天才」とも、「自覚の無い前衛画家」とも呼ばれた人です。
画家としての正式な教育を受けなかったため、デッサン、遠近法、明暗法などを身につけて
いませんでした。まるで子供の絵のような型破りの表現(貼り付けたような人物。影のない
風景)が、人々の嘲笑を誘いました。
しかし、ルソーの絵を愛していた人達もいました。詩人のアルフレッド・ジャリやギョーム・アポ
リネール。そして、ピカソやマリー・ローランサンといった若い世代の画家達です。誰の影響も
受けていない、独学で独自の技法を学んだ絶対的な個性に、彼らは目を見張ったのです。
日本でも早くからその作風は紹介され、藤田嗣治、岡鹿之助、加山又造など多くの画家に
影響を与えたのです。
ようやく世間に認められたのは、60歳を過ぎてからの事でした。
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      ☆オレンジの森の猿たち☆今回の出展作品 絵葉書を買ってきました。
by nhana19 | 2006-11-12 22:16 | 展覧会☆コンサート☆観劇
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